ヒトごろし
久しぶりに紙の本を買って読んだ。
京極夏彦の『ヒトごろし』。
去年の秋には文庫化されてたみたいだけど、全然把握してなかった。
たまたま本屋さんで見かけて、『え、京極さんが土方さんのこと書いてるの?買わなきゃ』と衝動買い。
そう、私は京極さんも、新選組も好き。
とはいえ、どっちも深掘りしてる訳でもない。
新選組に至っては、中学生のときに『新撰組異聞PEACE MAKER』って漫画を途中まで読んで(多分一部完って感じで休載になって、その後を追えてない…はず…)、高校生のときに大河ドラマの『新選組!』を途中まで見てたくらいで(山南さん切腹くらいから悲しくてあんまりちゃんと見られてない)、『燃えよ剣』とか『新選組血風録』とかも未履修。
我ながら、よくそれで『新選組好き~』とか言えるなと思う。
京極さんに関しては、京極堂シリーズも巷説百物語シリーズも何作かは読んでるから、好きって言っても許して欲しい。
あんな鈍器みたいな本なのだから、一冊読み通せたら、好きってことでいいよね?
まぁそういうレベルだから、他の新選組関連作品と比べてどうとか、京極作品の中でどうとかは言えないけれど、新鮮な目線で、土方さんが格好良く書かれてて良かったなと思う。
どういうところが新鮮に感じたかというと、まず過剰に色男扱いされてない点。
全く容姿に関する描写が無いって訳じゃないし、一応男前っぽい描き方はされてるけど、サラッと触れる程度。
『土方歳三=男前、色男』のイメージが凄くあったし、容姿ありきの魅力を感じてたから、個人的には新鮮だった。
もう一つは、徹頭徹尾リアリストに描かれてたところ。
新選組とか白虎隊って、基本ロマンチストじゃん?(独断と偏見)
で、鬼の副長は、組織の為に悪役を買って出てるだけで、本当は熱くて優しい良いヤツ(ツンデレ)みたいなイメージがあって(独断と偏見)。
それが良い意味で裏切られた。
己の欲望をきちんと理解してて、それを実現するにはどうすればいいか筋道立てて考えて、策が決まれば躊躇なく実行する姿が格好良く感じた。
まぁ己の欲望ってのがヒトごろしなんやけど、フィクションやからさ。
本筋と関係ないところで言うと江戸言葉の女の人が出てきたのも良かったな~。
何か分からんけど好き。
ちゃんと音とかイントネーションを頭で再生できてるか怪しいけど。
まぁこれで大分暇が潰せた。
たまには小説読むのも良いものだな。
今週のお題「おうち時間2021」